不動産屋になりたい人へ。賃貸と売買、どちらから経験すべきか

不動産

不動産業界に興味を持っている若い方から、よくこんな質問を受けます。

「賃貸と売買、どっちを先に経験した方がいいですか?」

結論から言うと、私の経験では
賃貸仲介を経験してから売買に進んだ方が、不動産屋としての力はつきやすいと思います。

今回は、不動産の仕事をしてきて感じた
賃貸営業と売買営業の違い、そして新人がつまずきやすいポイントについて書いてみようと思います。


不動産屋といっても仕事はバラバラ

一般の方は「不動産屋」と聞くと、

  • 家を売る
  • 部屋を貸す
  • 土地を扱う

全部できる仕事だと思っている方が多いと思います。

ですが実際には、不動産会社でも仕事内容はかなり分かれています。

例えば

賃貸仲介中心の会社

  • アパマンショップ
  • エイブル
  • 賃貸住宅サービス
  • いい部屋ネット

こういった会社は基本的に賃貸仲介がメインです。

一方で

売買仲介中心の会社

  • 住友不動産販売
  • 東急リバブル
  • 近鉄不動産

などは売買仲介が中心になります。

さらに

  • 土地を仕入れる会社
  • 造成して分譲する会社

などもあり、不動産屋といっても実際の仕事はかなり違います。

中には

  • 賃貸仲介
  • 管理
  • 売買
  • 建築

など、全部やる会社もあります。


賃貸営業と売買営業の違い

不動産営業には大きく分けて

賃貸営業売買営業があります。

まず賃貸仲介の仲介手数料は基本的に

家賃の1か月分

です。

そのため1件あたりの売上はそこまで大きくありません。

その代わり、賃貸営業は

数をこなす仕事

になります。

特に2月〜3月の繁忙期になると

  • 月30件
  • 月40件
  • 営業マンによっては100件以上

契約するケースもあります。

案内、申込、契約などをどんどん回していく
スピードと処理能力が求められる仕事です。


一方、売買仲介の場合は仲介手数料が大きくなります。

一般的な仲介手数料は

売買価格の3%+6万円+消費税

という計算になります。

例えば2000万円の物件であれば、
仲介手数料は70万円前後になります。

つまり売買営業は

1件で100万円近い売上を作るような動き

になることも珍しくありません。

そのため営業としては

  • 月に1件売る
  • 月に2件売る

という形で売上を作っていきます。

さらに売買では

両手仲介(売主・買主の両方から手数料をもらう)

ができれば、売上はさらに大きくなります。


実は平均売上はそれほど変わらない

意外に思われるかもしれませんが、

賃貸営業も売買営業も
月平均の売上はそれほど大きく変わらないことが多いです。

賃貸は

小さい売上をたくさん積み上げる仕事

売買は

大きい売上を少ない件数で作る仕事

という違いです。


賃貸から売買に行く人は強い

不動産業界では

賃貸 → 売買

というキャリアの人は比較的成功するケースが多いです。

理由は、賃貸営業で

  • 接客
  • 段取り
  • スピード
  • 契約処理

こういった基本的な営業力が鍛えられるからです。

逆に

売買 → 賃貸

の流れは、途中で挫折してしまう人も多い印象があります。

賃貸営業はとにかく処理スピードが求められるため、そのテンポについていけないケースがあるからです。


賃貸営業は顧客ができる

もう一つ大きな違いがあります。

それは

顧客ができるかどうか

です。

売買の場合、家を買うのは人生で

1回〜2回

というケースが多いです。

つまり、基本的には

一度きりの商売

になることが多いです。

一方で賃貸は

  • 住み替え
  • 友人紹介
  • 法人契約

などで人脈が広がっていきます。

さらに

  • アパートオーナー
  • 投資家
  • 法人担当者

など、いろいろな人とのつながりができます。

この人脈は営業人生の中で
大きな財産になることも多いです。


新人営業がつまずくポイント

不動産営業は一見シンプルな仕事に見えますが、実際には新人がつまずきやすいポイントもあります。

クロージングができない

不動産会社は営業会社なので、会社によっては数字に対するプレッシャーがかなり強いところもあります。

案内に行って決められずに帰ってくると、厳しく言われる会社もあります。

そうなると新人営業は

「断られたらどうしよう」

という気持ちになり、

クロージングができなくなる

ケースがあります。

「ここしかないですよ」
「この部屋いいですよ」

この一言が言えない営業は意外と多いです。


賃貸は会社ごとのルールが多い

賃貸仲介では

  • 保証会社
  • 審査基準
  • 契約ルール

などが会社によって違います。

例えば

  • この物件はこの保証会社
  • この保証会社は収入基準がある

などです。

こういった仕組みを理解していないと、お客さんに説明ができません。

その結果、営業がうまく進まなくなることもあります。


売買は知識不足でつまずく

売買営業で新人がつまずく一番の理由は

知識不足

です。

例えば

  • 住宅ローン
  • 土地の条件
  • 建築の制限

などです。

土地の仲介では特に

  • 建ぺい率
  • 容積率
  • 接道
  • 擁壁

などを理解していないと、

家が建つのかどうか

すら判断できないことがあります。

例えば土地が40坪あっても、

  • 建ぺい率30%
  • 容積率60%

という条件であれば、

1階は最大12坪、延床でも24坪程度になります。

24坪というと実際にはかなりコンパクトな家になるため、
お客さんがイメージしているような広さの家が建てられないケースもあります。

さらに実務では

  • 前面道路の種類
  • 北側斜線制限
  • 擁壁
  • 崖条例
  • セットバック

などの条件も関係してきます。

これらを理解していないまま土地を紹介してしまうと、

「あなたが勧めたから買ったのに、家が建たないじゃないか」

という話になり、
大きなトラブルになることもあります。

土地の仲介は、思っている以上に知識が必要な仕事です。


不動産営業は知識が武器

不動産営業は

  • 接客力
  • 営業力

ももちろん大事ですが、

最終的に大きな差になるのは
知識の量だと思います。

賃貸でも売買でも、経験を積みながら

  • 契約
  • 建築
  • 法律

こういった知識を身につけていくことが大事です。

不動産業界に入る若い人には、いつも

まず賃貸を経験してみてください

と伝えています。

賃貸営業で身につく

  • 接客
  • スピード
  • 段取り
  • 人脈

これらは、将来売買営業をする時にも必ず役に立つと思います。

賃貸仲介は決して地味な仕事ではなく、営業人生の中で
大きな財産になる経験だと私は考えています。

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